話せるブログ 第74回 感性&思考「知ることで生じる迷いや不安を解消する」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

無知で適当だと
迷いや不安なく
できることがあります。

逆に知ってしまったり、
経験が増えるほど、
迷いや不安を生じて
しまうことがあります。

歯科治療における
自費治療でもそうですね。

一般的な傾向として、
新人歯科医は迷いや
不安だらけです。
何も知らないこと、
何もできなことを
自覚していますので、
当然だと思います。

ただ一通りのことが
ある程度こなせるようにになると、
自信をもち調子に乗ります。
すると勢いでわりと簡単に
自費治療をすすめることが
できるようになります。
自費治療を一般的に
行う空間ができている
歯科医院では特に
早くそうなると思います。

しかし大体そこから年数が経ち、
自分の治療の結果や
より上手な歯科医の存在などを
知ります。

歯科治療の限界についても
感じることがあるかもしれません。
すると今度は
自信を持って
自費治療をすすめるべきか、
自分がやるべきなのかなど
迷いを生じます。

短期的な満足は得られても
長期的に考えるとどうなのか、
不安も生じます。

その結果、
そんな迷いや不安を
感じながら自費治療を行うより、
保険治療で迷いなく気楽に
治療を続けることを
選択する歯科医も出てきます。
保険治療は、
メニューも値段も
国から決められていますし、
安いからそんなものだという
言い訳がしやすいですから。

ただ保険治療では
自分の行いたい治療や
コンセプトを持った
医院づくりを行えないと
感じた歯科医はそこから考えます。

自費治療に対する迷いや
不安を解消するために
勉強したりスキルアップをしたり、
患者さんが本当に納得できる
治療方針の決め方を磨いていきます。
それと同時に
それを十分に発揮できる
医院環境を整え、
歯科医も安心して自費治療を
すすめることができ、
患者さんも納得して
自費治療を行える空間を
つくる努力を続けていきます。

このような道のりで
たどり着いた自費治療と、
最初の勢いで行っていた自費治療。
他人から見たら
一見同じように見えるかも
しれませんが、
歯科医自身の中では
まったくの別ものなのです。
色々と知ることで生じた
迷いや不安を解消する努力を
続けてきたわけですから。

(次回へ続く)

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