話せるブログ 第71回 感性&思考「歯科医と患者さんの溝は深い」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

「入れ歯が合わないから咬めない。
だから咬めるように
合わせてほしい。」

そう訴える患者さんは多く
いらっしゃいます。

そんなとき私たち歯科医は、
なぜその入れ歯で咬めないのか
患者さんの現状を確認していきます。

まずあいさつをして、
患者さんの顔をみます。
年齢、性別、職業、体型もみます。
レントゲンで歯や骨格もみます。
これまでの治療歴について
話を伺いながら、

体の病気や症状なども確認します。
生活習慣も聞きます。
表情や話し方などから、
患者さんの人柄や性格もみます。

そして口の中をみて、
残っている歯や
入れ歯の状態をみていきます。
咬み合わせや顎の動き、

唇や、頬っぺた、舌の動き、
歯肉や唾液の状態もみます。

このようなことをみながら、
今の問題点を考えていきます。
そして、
入れ歯がちゃんと使えるように
なるための改善策を提案します。

ところが・・・。

「問題点は良く理解できました。
でも私は、ちょちょっとやってもらって
ごはんをおいしく食べれたら
それで良いんです。」

このように答える
患者さんもいらっしゃるのが
実際のところです。

入れ歯でしっかり咬めないと
訴えられる患者さんは、
多くの場合、
複数の問題点が重なって、
今の入れ歯が使えないという
状況になっています。

だからある一部だけ治せば
それですごく良くなるというような
簡単にはいかないことも多くあります。
複数の問題点を改善して
はじめて結果が出るものでもあるのです。

その結果というのが、
患者さんが要望されている
ごはんをおいしく食べれるように
ということなのですが。

一生懸命説明すれば、
患者さんはその問題点を
理解できるとは言ってくれます。
でも改善策は受け入れられない
という場合も結構ありますね。

特に自分の歯が残っている場合に、
その歯を抜くとか削るとか、
入れ歯のためにそれらをされることに
なかなか抵抗があるようです。

入れ歯が使えるかどうかは
患者さんの許容量によって、
かなり左右されますので、

問題点が多い場合でも
ちょっとした改善で、
すごく満足して頂ける患者さんも
確かにいます。
ただ大抵の場合には、
うまくいかなくて満足して頂けないか、
うまくいったしても一時的で、
また悪くなってしまうことが
多いように思います。

でも患者さんの中には
絶対にそんな歯科医の提案は
受け入れないと決めている方が
いらっしゃいますし、

また、それをやれば今後ずっと
悪くならないというならやるけど
という方もいらっしゃいます。
そのような患者さんと
歯科医の溝を埋めることは
かなり難しいですね。

(次回へ続く)

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