教えて内藤先生 第28回 「様子みましょうって言われたけど大丈夫なの?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の常識や日常がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
歯科医の立場からすると、様子みましょうっていう言葉を良く使っちゃうんだけど、患者さんとしては、そう言われたらどう感じるのかな?

ゆめは君
どんなときにそう言うの?様子みましょうって。

内藤先生
たとえば、患者さんが痛いとか違和感があるとか、何らかの自覚症状を訴えてはいるものの、明らかにその原因がわからないときとか。

ゆめは君
痛くて何とかしてほしいって思っているときに、「様子みましょう」って言われたら、「え?なんで?」って思うね。

内藤先生
そうだよね。もしかしたら、「このヤブ歯医者が!」って思われるかもしれないよね。

ゆめは君
そりゃわからないこともあるだろうけどさ。でも原因がわからないなら、「原因がわかりません。」て言ったらいいんじゃないの?

内藤先生
もちろん、それは言うんだけど、それだけじゃなくてさらに「様子みましょう」って言うんだよね。

ゆめは君
なんで「様子みましょう」って言うの?

内藤先生
今は原因がはっきりわからないけど、時間がたつとはっきりしてくることがあるからなんだ。だからそれまで待ちましょうって意味で使っているんだよ。

ゆめは君
なるほど。はっきりするまで待ってみましょうっていう意味があるわけね。

内藤先生
うん。待っていて、原因がある場合には、待っているとはっきりしてくることが多い。でも特に原因がない場合には、待っている間に勝手に痛みや違和感などの症状が無くなることも良くある。

ゆめは君
何も治療しなくても勝手に良くなるの?

内藤先生
うん。原因が特にない場合はね。患者さんが感じる症状は、体調によっても変わるしね。それに原因が症状を感じている部分にない場合もある。だからはっきりしないうちに治療すると、それは無駄な治療になりかねないんだよ。

ゆめは君
無駄な治療?どういうこと?

内藤先生
この歯が痛いって患者さんが思っていても、その歯に原因がないときがある。それなのにもしその歯を削ったり、神経取ったりしたら?

ゆめは君
それはされたくないね。

内藤先生
歯科治療って必ずデメリットがついてくるからね。それに歯を削ったりしたら、元にもどらない。だから治療を行うことのメリットがデメリットを上回ることが想定できなければ治療に取りかかれないんだよね。

ゆめは君
なるほど。いろいろ考えて様子みましょうって言っているんだね。

内藤先生
そうだね。あとね、「様子みましょう」っていう言葉は、「今日の診療はここまでね」っていう意味でも歯科医は使うことがあると思う。

ゆめは君
え?そんな意味もあるの?

内藤先生
たとえば、入れ歯をつくると、完成した後も何度か調整することが必要なんだけど、初回にすべて患者さんの訴えを改善させることは難しいときがあってね。「一回使って様子みてください」っていう言い方するね。

ゆめは君
「ある程度合わせたけど、時間がきたし、今日はここまでで勘弁してね」みたいな意味?

内藤先生
そういう意味が含まれているときがあるね。

ゆめは君
ふーん。様子みましょうって色んな意味あるんだね。でも「時間なくなったから今日はここまでね」って言う方がわかりやすい気がするんだけど?

内藤先生
患者さんからしたら、途中で切り上げられた感ない?

ゆめは君
まあ、あるよね。違うの?

内藤先生
その日時間内でできる限りのことはするし、使ってもらってからじゃないと調整できない部分もあるし。

ゆめは君
あ、なるほど。その日できる限りのことはしたんだけど、患者さんからまだ訴えが続く場合に使うってことね?

内藤先生
そう、「一回使って様子みましょう」ってね。そうしないと、終われないことがあるから。

ゆめは君
たしかにね。ほんと歯科医からすると、「様子みましょう」って色んな意味が含まれた便利な言葉なんだね。

内藤先生
そうなんだよね。でも患者さんからすると、意味がわからなかったり、不快に感じたりすることもあるかもしれないからその使い方には注意しなければいけないね。

(次回へ続く)

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事 おすすめ記事

最近の記事

PAGE TOP