教えて内藤先生 第61回 「検査の重要性って?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
前回も話をしたんだけど、歯科医療の業界に入って感じた事は、客観的な指標となる検査があまりないなって感じたんだよね。

ゆめは君
検査がないって言ってたね。検査ってそんなに必要なの?

内藤先生
検査がないとね、患者さんが痛いなどの自覚症状を訴えたり、目に見えて腫れているなどの変化が出ないとなかなかわかりにくい。

ゆめは君
病気になってもわからないってこと?

内藤先生
もちろん検査がなくても分かるものもあるけど、慢性的な病気ってかなり悪くなるまで自覚症状が出ない。

ゆめは君
まんせいてき?

内藤先生
じわじわと悪くなっていくような病気のことね。糖尿病やがんなどの生活習慣病、リウマチなどの自己免疫病など。難しいかもだけど。

ゆめは君
うん、難しい。気付かないうちに病気がすすんでいるってこと?

内藤先生
そう。そういう病気って検査で何か指標がないと判断ができないんだよ。

ゆめは君
そうなんだ。

内藤先生
自分で分かるくらいになってきたら病気はかなり進行してる。だからそうなる前に察知したい。そのためには検査して数値とか画像とかで分かりやすく示せないといけないんだよ。

ゆめは君
なるほど。

内藤先生
ところでね、川に橋が架かっているのをイメージしてみてくれる?

ゆめは君
橋?人が渡る橋?

内藤先生
そう。橋と人が橋を渡っているところも。

ゆめは君
うん、したよ。

内藤先生
その橋が急に壊れたら渡っていた人はどうなる?

ゆめは君
え?あぶないね。川に落ちるひともいるかも。

内藤先生
そうだよね。川に落ちた人達を何とか救助して病院に運ぶ。そこで行われるのが命を救う医療なんだよ。

ゆめは君
命を救う医療か。

内藤先生
もちろんそれは大事な医療なんだけど、助けられる人数も限られるし、助けられない場合もある。それに命は助かっても後遺症で自立した生活を続けられなくなってしまう人もいる。

ゆめは君
そうだよね。橋から落ちたら助からない人もいる。

内藤先生
橋から落ちた人を救うのは大変。だから同時に橋から落ちることを防ぐことも大事なんだよ。

ゆめは君
たしかに。

内藤先生
だから、橋を整備したり、橋から落ちかけている人を助けたりすることも、大事な医療なんだってこと。

ゆめは君
大事だね。

内藤先生
橋の整備も壊れてからだと遅いよね?でも壊れる前にそれを調べるには検査しかない。

ゆめは君
なるほど。だから検査が大事って話か。

内藤先生
そのとおり。調べるには検査するしかない。

ゆめは君
検査って重要だね。

内藤先生
その人の健康状態や予後を判断するには検査が重要だね。

(次回へ続く)

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