教えて内藤先生 第21回 「感染した歯があると自分じゃなくなる?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の常識や日常がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
なんで歯を抜かなきゃなのかっていったら、細菌感染の影響が止められないからっていう話したよね?

ゆめは君
うん。たぶんしてたと思う。

内藤先生
細菌感染した歯の影響について話しようと思うんだけど。その前に・・・。

ゆめは君
その前に?

内藤先生
人って、生きていれば、普通腐っていかないんだけど、死んでしまうと、すぐに腐ってしまうんだよ。

ゆめは君
たしかにね。でもなんでなの?

内藤先生
生きていれば免疫力があるから、細菌が多少入ってきても腐らない。

ゆめは君
めんえきりょく?

内藤先生
そう。免疫って、外敵から体を守る体の仕組みのこと。その力が免疫力で、健康を維持するにはとても大事な力なんだよ。抵抗力って言っても良いけどね。

ゆめは君
死んじゃうと、その免疫力がなくなる?

内藤先生
そうだよ。だから体の中で細菌がどんどん増えて、体が腐っていくんだよ。

ゆめは君
でも最近の日本人は、防腐剤が入っている食べ物をいっぱい食べてるから腐りにくいって聞いたことあるけど?

内藤先生
え?よくそんな話知ってるね?確かにそういうことを言っている人もいるみたいだね。

ゆめは君
ちがうの?

内藤先生
どうなのかな?一見あり得そうだし、先生が研修医時代に、そんなことを言っている医師もいたね。

ゆめは君
お医者さんが言ってるなら本当なのかな?

内藤先生
いやそうでもないと思うよ。真剣に調べて言ってるわけじゃないと思うし。たぶんそれを証明するようなデータは無いと思う。

ゆめは君
もし本当なら、歯を残すためには、防腐剤入りの食べ物をたくさん食べたら良いってことになるよね?

内藤先生
そうだね。でもそれならもはや防腐剤食べたら早いね?

ゆめは君
ん?なんかおかしいね。

内藤先生
で、話を戻すけど。

ゆめは君
すみません、どうぞ。

内藤先生
なんで歯を抜かなきゃなのかっていったら、細菌感染の影響を止められないからって言ったよね?

ゆめは君
あ、最初まで戻るのね。

内藤先生
前置きが長かったね。その状況っていうと、細菌たちに免疫力が負けて、どんどん腐っちゃうっていうイメージだと思うんだけど。

ゆめは君
免疫力が高ければ、腐っていかないんだよね?

内藤先生
たしかに、免疫力が高くて、細菌たちに打ち勝っていれば、そこが腐っていくわけじゃないけど、じゃあ腐っていかなければ良いのかっていうとそうでもないんだよね。

ゆめは君
またややこしい話してるね。

内藤先生
免疫が戦ったときに出る物質とかが、体の別の病気を引き起こしやすくしたり、ある細菌なんかは体に入って、その人の体の一部を変化させることもあるんだ。

ゆめは君
体の一部を変化させる?そうするとどうなるの?

内藤先生
免疫って、外敵は攻撃するけど、自分のことは攻撃しないようになってるんだよ。

ゆめは君
あ、なるほど。

内藤先生
だからちゃんと、自分と自分以外を見分けることができることが大事。

ゆめは君
あ、わかった!自分の体の一部が変化させられたら、自分じゃなくなっちゃう。

内藤先生
そう。さすがだね。で、外敵だと判断して、攻撃しちゃう。本当は自分なのに。

ゆめは君
そうすると?

内藤先生
関節リウマチなどの免疫異常の病気になっちゃう。それにアルツハイマー型の認知症などもそういうことが関係していると言わているんだ。

ゆめは君
そうなんだ。そんなに体に影響があるのなら、ほんと歯だけのこと考えてたらだめだね。

(次回へ続く)

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