この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の常識や日常がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。
内藤先生
話せる歯科医
ゆめは君
辛口な小学校5年生
そうだね。口の中の細菌は、体に入ると他の病気の原因にもなるってことも覚えている?
歯原性菌血症(しげんせいきんけつしょう)のことかな?
あ、それそれ。口の中の細菌が血管の中に入って体をめぐるっていう気持ちわるいうやつ。
口の中の細菌って、悪いやつもいれば、そうじゃないのもいるって言ったよね?
うん。虫歯や歯周病を起こしやすやつは悪いやつだって。
そうだね。ただ虫歯や歯周病にとって、あまり害がないと思われている細菌でも、実は血管の中に入ったら悪いってのもたくさんいるんだよ。
その辺は、まだ分かっていないことも多いんだけどね。まあ、そもそもどんな細菌でも血管の中に入ったら良くないんだろうね。
じゃあ、歯磨きはいつするのが最も効果が高いと思う?
歯磨きが細菌を取ることだったら、細菌がたくさん増えてくるときだよね?
そう。一日のうちで、一番口の中の細菌が増えているのっていつかわかる?
いや、なんとなく。寝起きってなんか口の中も気持ちわるい気がするし。
そうなんだよ。寝ている間に、口の中の細菌てものすごく増えるんだよ。
食べていなくても、口の中の細菌は増えるよ。いや、食べていない方が増えるって言っても良いかな。
うん。細菌学的には、食べた直後は、最も細菌が少ないって言われているくらいなんだよ。
え?そうなんだ!?じゃあ、食べた後が一番きれいってこと?
何も食べなかったり、寝てしまったりすると口の中の細菌が増える?
そのとおり。それにはあるものが少なくなっちゃうことが関係してるんだよ。
(次回へ続く)
この記事へのコメントはありません。