教えて内藤先生 第19回 「歯科臨床医はパフォーマー?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の常識や日常がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
ゆめは君はマジック好き?

ゆめは君
マジックって手品とかの?

内藤先生
そうそう。

ゆめは君
好きだよ。前にある遊園地に行ったときに、売っている商品でやられている手品を目の前で見て、すげーってなって、わがまま言ってその商品全部買ってもらった。

内藤先生
へえ。で、どうだった?タネがあったでしょ?

ゆめは君
そう。結構簡単なタネだった。正直ちょっとがっかりした。

内藤先生
でも手品を実際にやってもらったときには、そのタネは全然わからなかったんだ?

ゆめは君
全然わからなかった。マジシャンてすごいなって思った。

内藤先生
すごいよね?でもマジックって、タネをつくってそれを売っている人(クリエーター)と、それを買って実際にお客さんにパフォーマンスとして提供している人(パフォーマー)がいるらしいよ。

ゆめは君
え?マジシャンって自分でタネを考えてるわけじゃないの?

内藤先生
いや考えている人もいるし、買ったタネだとしても、それをうまくアレンジして提供していたりはすると思うよ。

ゆめは君
みんながそれぞれタネを考えていると思ってた。

内藤先生
歯科医もそれと似ている部分があるよ。

ゆめは君
え、タネを考えている人が別にいるみたいなこと?

内藤先生
そうそう。治療の技術を考えたり、つくったりする歯科医(クリエーター)がいて、それを他の歯科医(パフォーマー)に教える。教えられた歯科医が個々の患者にうまく適応させるようにパフォーマンスを磨くんだ。

ゆめは君
パフォーマーの歯科医は自分で治療を考えたり、つくったりしないの?

内藤先生
いや、そうともいえない。実際にパフォーマンスを磨きながら、その中で新たなことに気づいたり、生み出されたりは良くあるんだ。

ゆめは君
そういう歯科医は、また別の歯科医にそれを教えるの?

内藤先生
そうそう。そうやって歯科医療全体のパフォーマンスが上がっていくんだよ。

ゆめは君
なるほど。

内藤先生
努力している歯科臨床医は、より患者さんを満足させるために、良いタネを仕入れ、一生懸命練習して、パフォーマンスを高めているんだよ。

ゆめは君
歯科臨床医(しかりんしょうい)?

内藤先生
実際に患者さんに接して、診療を行う歯科医ってこと。それがパフォーマーね。

ゆめは君
歯科臨床医がパフォーマーってことか。

内藤先生
うん。タネをつくる人は、研究者の歯科医も多いけど、パフォーマーである歯科臨床医があらたなタネを開発していくこともよくある。だから歯科臨床医はクリエーターでもあるんだよ。

ゆめは君
へえ。クリエーターでもあるんだね。

内藤先生
歯科医療の世界も、マジックの世界も、クリエーターがつくったたくさんのタネの中から、パフォーマーがどんなタネを仕入れて、どういうパフォーマンスに磨き上げるかで、患者さんやお客さんの満足度が変わってくると思う。

ゆめは君
なるほど。

内藤先生
こう見えて先生も、日々パフォーマンスを高める努力をしているんだよ。それに患者さんに歯科医療のことをどうやったら誤解させず、わかりやすく伝えられるかを考えているクリエーターとしても努力しているよ。

ゆめは君
話せるパフォーマーであり、話せるクリエーターってことね。大変だね。お疲れさまです~。

(次回へ続く)

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事 おすすめ記事

最近の記事

PAGE TOP