教えて内藤先生 第88回 「歯科治療はわかっててもできなければ意味がない?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
歯科医になってつくづく思うけど、なかなか難しい仕事だね。

ゆめは君
そりゃそうでしょ?すごい細かいことしてそうだんもんね。器用じゃないと無理そう。

内藤先生
やっぱそう見える?手先が器用じゃないとって。

ゆめは君
え?そうでもないの?

内藤先生
手先が器用な人はやっぱり得だとは思うよ。

ゆめは君
そっか。やっぱそうよね。

内藤先生
もちろん大事なのは手先の器用さだけじゃないけどね。でも不器用より器用な方が良いよねって話。

ゆめは君
じゃ僕はあんまり器用じゃないから歯医者さんになるのはちょっと無理かな。

内藤先生
いやそれは器用かどうかだけで決めなくても良いんじゃないかなと思うよ。そこまでは大きな要素ではないと思う。ゆめは君は絵描いたり、何かつくったりとかは好きだよね?

ゆめは君
うん、好き。図工の時間大好きだし。

内藤先生
へえ。ならむしろ向いてそうだけどね。歯科治療って絵を描くとか何かをつくるとか、アートの要素がすごいあるなって思うからね。

ゆめは君
まあ好きでも上手いかどうかはわからないけど。

内藤先生
そりゃなかなかわからないよね。でも器用か不器用かより、そういう絵を描いたり、何かをつくったりすることが苦じゃないってことの方が大きい気がする。

ゆめは君
そうなの?下手でも?

内藤先生
やることが苦にならないなら続けることができるでしょ?続けてたらその内上手くなるでしょ?

ゆめは君
そうかな?

内藤先生
うん。それに自分が描いた絵とか、何かつくったものが、人に役に立ったり、喜んでもらえたら嬉しくない?

ゆめは君
それはすごい嬉しいね!

内藤先生
そのための努力できるでしょ?そういう気持ちがあれば最初は下手でも絶対上達するからね。

ゆめは君
そっか。まあ歯医者さんになりたいかはわからんけど。

内藤先生
はは。それはゆっくり決めたら良いよ。自分に向いている仕事をした方が絶対良いからね。

ゆめは君
自分に何が向いてるかって良くわからないけどね。

内藤先生
そうだよね。先生も歯科医が自分に向いてるかは正直良くわからないから。

ゆめは君
え?そうなの?

内藤先生
まあね。でも向いていない仕事ってやってみると結構すぐわかるよ。やっていることが苦だからね。

ゆめは君
今の歯医者さんの仕事は苦じゃない?

内藤先生
そうだね。しんどいこともあるし、うまくいかないときもあるけど、何とかしようと努力することが苦じゃないんだよね、不思議と。

ゆめは君
へえ。じゃあ向いているのかもね。

内藤先生
まあ自分が何かすることによって、誰かの役に立ったり喜んでもらえるのを実感できる仕事ってやっぱやってて楽しいよね。

ゆめは君
喜ばれたらそりゃ嬉しいよね。でも歯医者さんて嫌がられることも多そうだけど。

内藤先生
そうなんだよね。歯医者さんが好きですっていう人って少ないよね。できたらお世話になりたくないって思われているような。

ゆめは君
痛いことされたり、恐いイメージがあるからね。とりあえず口開けて、何かされてる感じ。

内藤先生
そっか。これからの歯科医はそれだとまずいなって思うね。だからこれからの歯科医はちゃんと患者さんが何でも話せる雰囲気をつくっていく必要があると思うんだよね。

ゆめは君
患者さんからしたらその方が絶対安心だよね。お金もすごいかかるイメージあるし。

内藤先生
そうだね。安心してもらえることはとても大事だよね。でも歯科治療が難しいなって思うのは、やっぱり話し合いや安心だけじゃ解決しないこともあるからなんだよね。

ゆめは君
ん?それは治療技術が必要ってこと?

内藤先生
そう。いくら勉強して頭では理解して、患者さんにも安心して治療を受けてもらえるとしても、やっぱり治療技術がちゃんと無いと、患者さんを良い状態にできないし、喜ばせられない。これがあるから、歯医者はやっぱり器用じゃないとって話になるんだけどね。

ゆめは君
わかっててもできなきゃ意味がないってことね。

内藤先生
そういうこと。でもわかっててもできないことがある。これが歯科治療の難しさ。患者さんの話を良く聞く。それでこうしてあげれたら良いとわかる、でもそれができない。だからできるようにスキルを高める。その繰り返し。どこまでも終わりはないと思う。

ゆめは君
大変だね。

内藤先生
でもうまくいけば喜んでもらえるからね。だから苦なく続けられているよ。

(次回へ続く)

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