この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。
内藤先生
話せる歯科医
ゆめは君
辛口な小学校5年生
自由に描いても良いなら好きかな。上手いか下手かはわからないけど。
ゆめは君はどんな絵を描くのかな?見てみたいけどね。
うん。絶妙。ちょうどよくバランスが悪くて何だかダサいんだけどそれがかわいい感じに仕上がっているというか。
いや描けないよ。あるクリエイターさんが言ってたんだけど、大人にはそういう子供が描くような絵は描けないって。
いや大人がそういう子供の絵のように描いても、どこか邪が入っちゃって絶妙にかわいくはならないんだって?
かわいくしようと狙っている感じがするってこと。それがバレちゃうんだって。
そうみたい。だから子供には子供のときにしか描けない絵があるってことなんだよ。
ねー。やっぱり子供は感性のまま絵を描くからなのかなって。
いやごめん。感じたまま素直に絵を描くと言うか、悪く言ったらあまり深く考えずに描くというか。
う〜ん。そういうと何だか良い表現じゃないけど。大人は考え過ぎなんだと思う。
何の絵を描いてるのかとか、その形が適切かどうかとか、常識的かどうかとか、それが誰にどういうふうに見えるかとか。
もしかしたら大人もそこまで自覚はしていないかもしれないけど。つまり大人は絵に自分の解釈がすごく入ってくるような気がするんだよね。
子供でも、何の絵を描いているのかって考えてはいると思うけど?
子供なりに考えているのかもしれないけどね。まあ、このことも先生の勝手な解釈だからね。大人はすぐに解釈して、合理的な絵を描こうとする。
はは。難しいね。でも子供の頃に描けて絵も大人になるとだんだん描けなくなる。大人になるにつれて何かが失われていくのかもしれないね。
だってこの前、自分の子供が描いた絵を見て、自分には絶対描けないなって思ったよ。それがこれ。
確かに。真似しようと思ってもどこかちがくなりそう。
そうなんだよね。ちなみにあわあわ君ていう謎のキャラクターらしいよ。
(次回へ続く)
この記事へのコメントはありません。