教えて内藤先生 第65回 「スーパーカタヨッターって?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
伝言ゲームってしたことある?

ゆめは君
伝言ゲーム?あるよ。

内藤先生
伝言ゲームでは最初に伝えた話が最後の人には全然違う話になっていることもあるでしょ?

ゆめは君
うん。すごい簡単なことでも最後には結構変わっている。

内藤先生
そうなんだよ。一つの簡単な単語だと結構正確に伝わるんだよ。でもそれが文章になってくると全然伝わらなくなる。

ゆめは君
そんなもんなんだね。

内藤先生
そう。ここで言いたいのは、それくらい情報っていうのは人から人へうつるときに変わってしまうっていうこと。

ゆめは君
人から人へうつるって何だかウイルスみたいだね。

内藤先生
そうだね。情報の広がりとウイルスの広がりは似ている部分があるね。

ゆめは君
どんなところが?

内藤先生
ウイルスをたくさんの人に感染させる人のことを、スーパースプレッダーっていうらしいんだよね。

ゆめは君
スーパースプレッダー?なんかカッコ良い名前ついてるんだね。

内藤先生
うん。情報の場合でいうと、より多くの人に広げる能力の高い人とか、影響力や発言力の強い人ってインフルエンサーと呼ばれたりするよね。

ゆめは君
インフルエンサーは聞いたことある。

内藤先生
でね、ウイルスも情報もどちらも変異するでしょ?

ゆめは君
たしかに。

内藤先生
でも情報の方がウイルスより変異が激しい気がするんだよね。

ゆめは君
そうかな?

内藤先生
だって伝言ゲームとか見ていて思うんだけど、ものすごく伝言されたものを変えて伝えちゃう人っていない?

ゆめは君
あーいるいる。「え?わざとやってない!?」ってくらい。

内藤先生
でしょ。それと同じで世の中にも、聞いた情報を自分のすごく偏った解釈で、全然別な情報に変えてしまう人がいるんだよ。

ゆめは君
そういう人がいるから情報の方がウイルスより変異が激しいって思うわけね。でもなんでそんなことになるのかな?

内藤先生
同じことを聞いたって、その感じ方は人それぞれ違うからね。それは個性だし、偏りは全然悪いことではないんだけどね。

ゆめは君
でも誰から聞くかで、全然違うってことになっちゃうってことだよね。

内藤先生
そうなんだよね。歯科医療の世界でもそうだよ。そういう偏った情報ってあるんだよね。

ゆめは君
そうなんだ?

内藤先生
偏り自体は悪くない。それが自分の解釈だから。でもその偏りを自覚していることが大事だよね。

ゆめは君
自覚がないとどうなるの?

内藤先生
その人の都合の良い部分だけを伝えちゃう。

ゆめは君
都合の良い部分?

内藤先生
たとえばね、すごく良い結果の出た治療経験があると、そのことばっかり人に伝えちゃう。結果が良くなかった人もいることは伝えずに。そういう人は悪い結果については聞かないし聞いても忘れちゃう。

ゆめは君
え?忘れる?じゃあ本当に自覚ないね。

内藤先生
そういうこと。そういうふうに自覚なくすごく偏った解釈をして情報を変異させて伝えてしまう人のことを何て呼んだら良いかな?

ゆめは君
ん~、スーパーカタヨッターとかはどう?

内藤先生
超偏っている人ね。良いねそれ(笑)

(次回へ続く)

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