話せるブログ 第83回 感性&思考「自分の仕事×歯科医の仕事」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

歯が痛いから歯医者にいく。
歯がぐらぐらしてきたから歯医者にいく。
歯がなくて見た目が悪いから歯医者に行く。

人がわざわざ歯科医院に行く理由は、
何か歯に関する問題で
生活上困ることがあるから
というのがほとんどだと思います。

昔に比べると、今は歯に問題がなくても
悪くならないように予防的に
歯科医院に通院するという方は増えてきました。
まだまだ少数派ですが、
健康意識の高い人はそのように
歯科医院を使うようにはなってきていますね。

ただいずれもにしてもここでの歯科医の仕事は、
患者さんの抱えている歯や口の問題が
現れたときに、その問題を解決する仕事、
あるいは、
起こりうる歯や口の問題を
できるだけ少なくする仕事だと

認識されていると思います。

私もそれが歯科医の仕事だと思います。
でも最近、自分の歯科医としての仕事は
そうではないと感じてきました。
いやそうではないというより、
何か違うなという感じでしょうか。

私はこのブログに何度も
対話の重要性を書いています。
そして対話によって信頼関係を
積み重ねることが
治療前プロセスとして重要だと
何度も書いています。

自分がなんでこれが大事だと思い、
そのような内容を何度も書いているのか。
いたるところで目にする
患者さんとのコミュニケーションを大事してますとか、
患者さんの話をよく聞いて治療方針を決めますとか、
そういうものと、
自分が対話が大事だと言ってることは、
いったい何が違うのか。
明確な言葉でそれを表現するのは
言葉でなかなか伝わりにくいのですが、
最近一つわかったことがあります。

それは目的が違ってたってことです。
多くの歯科医師はたぶん、
対話というものを、
歯科医師としての治療のためととらえ、
方針の話し合いやカウンセリングを
していると思います。

歯科医師だからあたりまえですよね。
でも私は違ってたんです。
私は、患者さんの自己実現を
支援するために対話していたんです。
だから対話自体も目的だったんです。
ただ、冒頭で書いたように、
現実問題として、歯に問題を抱えた人たちが
歯科医院に訪れますので、多くの場合、
その問題解決をすることにはなりますが、
自己実現のためにそれによりそった
歯科医療を行っているのです。

つまり誤解を恐れず書くと、
私は歯科医だけど、
歯科医療を行うことは
自分の仕事の目的ではなく、
患者さんが健康的な人生を送るための
自己実現を支援する手段として行っていたのです。

(次回へ続く)

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