教えて内藤先生 第87回 「歯科医にもマニュアルがある?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
ゆめは君って、ゲームするよね?

ゆめは君
するよ!

内藤先生
ゲームするとき、そのマニュアルとか読む?

ゆめは君
マニュアル?いやあんまり読まない。自分で勝手にやっちゃうかな。

内藤先生
途中でわかならくなったりしたらどうするの?

ゆめは君
どうしてもわからなくなったら人に聞いたり、そういうマニュアルみたいなものを読んだりするかもね。

内藤先生
へえ。最初からは読まないの?

ゆめは君
だって読んだってやってみないと良くわかんないし。読むのもめんどくさいしね。

内藤先生
なるほどね。でもそれが効率の良いやり方かもしれないね。

ゆめは君
なんでそんなこと聞くの?

内藤先生
いや歯科医もそうだなって思って。

ゆめは君
歯医者さんとゲームが何か関係あるの?

内藤先生
いや上達するためには、やっぱりやってみないとわからないことってあるよなって。

ゆめは君
そりゃ歯医者さんだって治療しなかったら治療がうまくならないよね?

内藤先生
そうだよね。でもその時にマニュアルがあった方が良いのかなって。

ゆめは君
まあそういうのがあったら安心はするかもね。困ったときにも使えるから。

内藤先生
そっか。今の歯科医の教育には必要かもしれないね。昔の歯科医は、俺の背中を見て育てとか、技は盗めとか言ってたけど、時代は変わってきたなって思うし。

ゆめは君
背中を見て育て?技は盗め?カッコ良いじゃん!

内藤先生
まあそれができたら本当は良いのかもしれないけどね。それだと人によってかなり差が出ることは確かだね。見て感じたり、盗める人と、それができない人もやっぱりいるからね。

ゆめは君
人によって育て方を変えなきゃいけないってこと?

内藤先生
そうだね。たぶん、どこでどんな環境でも勝手に育つ人もいるだろうけど、育て方によってだいぶ変わってしまう人もいると思うからね。

ゆめは君
で、マニュアルが必要な人も多いんじゃないかって話?

内藤先生
そそ。マニュアルがあった方が、やっぱりやりやすいのかなって。特に新人の頃は。

ゆめは君
内藤先生はどうだったの?

内藤先生
自分が新人の頃はマニュアルは無かったね。ただ自分の場合は、決められていることを決められた通りにやることが結構苦手でね。

ゆめは君
あ、そうなんだ?

内藤先生
うん。こうしなきゃいけないみたいに決められていることがすごく苦手。絵を描いたり、字を書くのでもそう。線とか枠とか無い、真っ白な紙に書きたいもんね。

ゆめは君
それもまた極端だね。枠とか線とかはあった方が書きやすそうだけどね。

内藤先生
マニュアルって、同じ歯科医院でも複数の歯科医がいるとき、担当の歯科医によって結果がバラつかないようにするためにはあると良いかもしれないけど。

ゆめは君
え?ちなみに同じ歯科医院に通っているのに、担当の歯医者さんによって治療の結果が変わるってことはあるの?

内藤先生
いやそりゃあるよね。

ゆめは君
そうなんだ?それは患者さんからしたら困るよね。マニュアルあればそれが同じ結果になる?

内藤先生
マニュアルがあるほうが、同じ結果になりやすいかもしれないけど、それでも歯科医によって結果は変わるだろうね。患者さんの満足度もだいぶ違うと思うし。

ゆめは君
そうなんだ?じゃあ同じ歯科医院でもどの歯医者さんに治療してもらうかってすごい大事なんだね。

内藤先生
どうしてもそうなっちゃうだろうね。複数の歯科医が在籍する歯科医院はできるだけ皆が同じ結果を出せるようにしたいだろうけど、やっぱり違いはかなり出ちゃうと思う。

ゆめは君
マニュアル作って、そのマニュアル通りきっちりやっても?

内藤先生
その通りきっちりやればある程度結果はついてくるかもしれないけど、患者さんの満足度の高い歯科医はマニュアル通りきっちりやっているんじゃなくて、マニュアル以外の余計なことをやっていることが多い。

ゆめは君
余計なこと?

内藤先生
うん。人がつくったマニュアル通りじゃなくて、だいたい余計な手間を加えた自分のマニュアルをもってるよ。

ゆめは君
へえ。

内藤先生
マニュアルはその通りできるようになることより、自分でつくれることが大事だと思う。

(次回へ続く)

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