この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。
内藤先生
話せる歯科医
ゆめは君
辛口な小学校5年生
歯科医は治療だけが仕事じゃないっていう話を前回したよね?
うん。開業医だったら治療のことは3分の1くらいだって。
確かに開業している歯科医の先生たちは皆、治療以外のことが多くて大変だって言っているね。
そうだね。開業したら歯科医でもあるけど、経営者でもあるからね。
そう。医院をうまく経営していかないと、良い治療も続けていくことができないからね。
どんな人が集まってどんな関わりをもつかを考えないといけない。その医院をどんな場にするかを考える。
具体的には、どのようなスタッフが集まったどんな場でどんな歯科医療を提供するか?そしてどんな患者さんにどのように医院を知ってもらって来院してもらうかも考えないといけない。
そうだよね。考えるだけなら簡単かもしれないけど、それを実際に実現していくのはとても大変。お金がかかるしね。
そう。やりたくてもお金がなくてできない場合もあるよね。だからいきなり理想的なことを実現できないのが現実だと思うよ。だから日々理想に近づけていくような経営能力が重要になってくるね。
そうだよね。だから最近は、治療に専念したいとか、プライベートとのバランスを取りたいからとかで、開業せずに勤務医を続ける歯科医も増えてきているみたいだね。
そうなんだね。そんな歯医者さんがいても全然不思議じゃないよね?
でも現実には、ほとんどの歯科医が開業しているね.9割くらいかな?
それにある人が言ってたんだけど、歯科医になった時点で99%経営者の立場になることは決まっているんだって。
勤務医だとしても、長く続けていればいずれ副院長とか、分院長っていって、医院を経営する立場になることがほとんど。それに今フリーランスの歯科医もいるけど、それも1人の経営者っていう感じだしね。だから経営者の立場になることはほとんど決まっているってことらしい。
それでね、経営者と従業員では考え方や使っている言葉が全然違うんだって。経営者になることが決まっているんだから、その考え方や言葉を勉強した方が良いって。
(次回へ続く)
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