話せるブログ 第87回 感性&思考「仕事ができる人かどうか」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

「私はまだ点と点を結んでいる途中なんです。
丸を描くのに私は時間がかかるんです。
その途中で評価をしないでほしいんです。」

昔、あるアシスタントの人が
そんな愚痴(?)を言っていました。

これ、何を言いたいかわかります?

その人の中で、
できるようになるまでの過程が、
点と点を結ぶこと。
それがつながって、一つの丸になることが、
ちゃんとできるようになること。

自分は人より、点と点を結ぶことが遅い、
でも結ぶことができたらちゃんとできる。
だから途中段階で、
できるできないを決めないでほしい。
そう言いたかったようです。

あの人は仕事ができる。
あの人は仕事ができない。
社会人になるとそんな言葉を
耳にする機会が多くなります。

ただ何をもって仕事ができるのか
しかも今の環境、今の時点でその人を
本当に判断できるのか、
それは良く考えないといけません。
たとえば、前述のアシスタントの人でいえば、
絵を描くことが上手で、
料理やお菓子作りもこだわって
とても上手に行っていました。

アシスタント業務に関しては、
確かにできるようになるまでには
他の人より少し

時間はかかる印象でしたが、
器用か不器用かでいえば、
器用な方だったと思いますし、
作業も人当たりもとても丁寧でした。

ちゃんとできるようになるまでに
時間がかかるだけ。
だから時間がたてばできる人と
言えるかもしれません。
いやいやそんなに時間がかかるなら
それはできない人ですよと
思う人もいるかもしれません。

たぶんその人は、仕事を覚えるまでの
スピードが遅いことで
仕事ができないと
思われがちだから
冒頭のような不満を

もらしていたのだと思います。
途中段階だけを見たり、
できる部分を見ていない人からは、
仕事のできない人というレッテルを
貼られがちだったようで。

難しい問題ですね。
仕事のできる人はやっぱり
仕事の覚えも早い印象ですし。

ただ仕事ができるとかできないとかは、
そう言っている人の主観的で一時的な
とても偏った目線での評価に
過ぎないことは事実ですね。
1年や2年では全然できないと
言われているような歯科医師でも
5年、10年と経ったら
ものすごくできるようになっていることだって
ありますから。

その人ができる人かどうかなんて、
短期的にはなかなかわからないものです。
唯一わかることは、
長い目でみてできるようになってくる人は、
人間性がとても良い人が多いということですね。
これは間違いないです。

(次回へ続く)

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