教えて内藤先生 第86回 「歯医者さんになんでも聞いて良いの?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
ゆめは君って歯医者にどんなイメージがある?

ゆめは君
ん?歯医者さんへのイメージ?そうだね、ちょっと怖いし、あんまり関わりたくない人のイメージかな。

内藤先生
それはショック(笑)

ゆめは君
(笑)あんまり良いイメージはないかな。歯医者さんとそんなに話す機会もないし、どんな人かって良くわからないしね。

内藤先生
先生とは良く話してるじゃん?

ゆめは君
内藤先生は歯と全然関係ないようなたわいもない話も聞いてくれるからね。

内藤先生
確かに歯と関係ない話も良くしてるよね。

ゆめは君
患者さんとも歯とは関係ない話を良くするの?

内藤先生
そりゃあるよね。でも一見関係ないようで関係していることもあるし、ほんと全然関係ないこともあるけど。

ゆめは君
へえ。歯医者さんに歯と関係ない話をしても良いものなの?

内藤先生
別に良いよね。なんだかいつの間にか人生相談みたいになってることとかもあるしね。

ゆめは君
人生相談?

内藤先生
まあ、人生相談っていっても、歯のこととかに関しては専門家として自分の考えをお伝えするけど、それ以外は聞いているという感じかな。

ゆめは君
どんな話をしてくる人がいるの?

内藤先生
ん~、そうだね、仕事の話とか、自分の生き方の話とか。この前はね、90歳を過ぎた患者さんに、自分がこれからこういう考えで生きていこうと思うんだけど、先生はどう思うかって。そんな話。

ゆめは君
90歳の人の人生相談?

内藤先生
その人は自分の哲学を持っているから聞いてると自分自身で考えを整理していく感じだけどね。

ゆめは君
その患者さんは歯の治療も受けているの?

内藤先生
そうだね、治療もしてるよ。でも話をする方が多いね。

ゆめは君
それは良いの?

内藤先生
歯医者としてはどうなのかな?ただその患者さんは自分と話をしているとどんどん考えが整理されて気持ちがすっきりするらしくてね。それで元気になってくれるのなら良いのかなって。

ゆめは君
へえ。歯の治療をしないで患者さんを元気にする歯医者さんか。おもしろいね。

内藤先生
いやいや、だから歯の治療はしてるって。

ゆめは君
あ、そうだった(笑)

内藤先生
まあ、全然関係ない話も含めて、なんでも患者さんの話を丁寧に聞いて、ちゃんと答えていると、患者さんは安心してくれるし、前向きに歯科治療を受けてくれるようにはなるって感じるね。

ゆめは君
確かにそうかもね。ふつう、歯医者さんに行ったら緊張するからね。

内藤先生
そうだね。自分たち歯医者にとっては日常なんだけど、患者さんにとっては非日常だしね。緊張感や警戒心があるもんだよね。

ゆめは君
患者さんの話をなんでも聞くって大事だね。

内藤先生
ほんと大事だよ。患者さんの話をちゃんと聞いてちゃんとこたえることを心掛けていると、歯医者のスキルも間違いなく上達していくしね。

ゆめは君
へえ。

内藤先生
それに、たまに患者さんが仕事が決まったとか、うまくいったとか、歯医者に来たことがきっかけで人生に何らかの良い変化が起こったことを話してくれる。そういうのを聞けるのはとても嬉しいことだね。

ゆめは君
歯医者さんに行ったことがきっかけで人生変わる人もいるんだ?

内藤先生
そんなきっかけを与えられたら歯科医冥利につきますね。

ゆめは君
うん、それは良い仕事だね。

(次回へ続く)

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