教えて内藤先生 第53回 「神経取った歯はもう痛くならない?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

ゆめは君
虫歯って放っておくとすごく痛くなるんだよね?

内藤先生
そうだね。どんな痛みかによって、ある程度虫歯の進行度はわかる。

ゆめは君
虫歯がすすむと、痛みが変わっていくの?

内藤先生
そうだよ。

ゆめは君
どんな感じで?

内藤先生
初期の虫歯だと全く痛みはない。だからよほど目立つところに虫歯がなければ、自分で気づくのはむずかしいと思う。

ゆめは君
痛みが出たら、結構すすんじゃっているってこと?

内藤先生
そう。痛みとしても、最初は、冷たいものや甘いものがしみるっていうもの。しみて痛いけど、その瞬間だけで、後は痛くないっていう感じ。

ゆめは君
それでも虫歯としてはすすんでいるの?

内藤先生
そうだね、中等度って感じかな。もっと進むと、今度は熱いものが痛い。しかも後を引く痛さになる。

ゆめは君
後を引く痛さ?

内藤先生
そう。熱さで痛いって感じた後、数分間ジンジン痛い感じ。

ゆめは君
そうなったらどうするの?

内藤先生
その頃には、たいていの人は歯科医院に行こうって思うよね。虫歯が原因でその痛みが出ているなら、かなりすすんだ大きな虫歯が見つかるよね。

ゆめは君
神経を取る?

内藤先生
いやできるだけ神経は残した方が良いよ。

ゆめは君
でも痛いんでしょ?

内藤先生
痛みは少し続くことがあるけど、まだ神経残せる可能性があるなら、頑張って残すべきだよ。さらに虫歯がすすむと、何もしなくても痛いって状況になって、夜も眠れない痛さになることもある。

ゆめは君
そんな痛いなら、できるだけ早くその痛みを取ってほしいと思うけど。

内藤先生
神経とったら、確かにそのとき痛みは楽になる。でも、前にも言ったと思うけど、歯の寿命は明らかに短くなる。

ゆめは君
でも神経取ったらその歯はもう痛くなることはないんでしょ?

内藤先生
あ、それって結構患者さんも誤解していることなんだけど、神経取った歯でも痛くなることあるんだよ。それに、痛みの強いときに神経を取ると、治療後に原因不明の痛みが残ることもある。

ゆめは君
え?そうなの?神経取ったら終わりじゃないの?

内藤先生
確かに神経を取った歯自体は、痛みを感じない。だからその歯が冷たいものでしみるとか、そういう痛みは感じない。でも、歯の周りは敏感で痛みを感じる。

ゆめは君
歯の周り?

内藤先生
うん。歯って、あごの骨の中に埋まっているよね。埋まっているのも、ただ埋まっているだけじゃなくて、ちゃんと線維でつながっている。このつながっている線維とか、さらにあごの骨とかは痛みを感じる。だから痛い。

ゆめは君
そうなんだ。神経を取った歯が痛いって言うのは、その歯の周りが痛いってことか。

内藤先生
うん。その痛みは原因不明なときもあるし、細菌感染が歯の周りまで広がっていってるってこともある。細菌感染の場合は、虫歯がよりすすんだ状態といえる。

ゆめは君
それってより悪い状態だよね?

内藤先生
そうだよ。神経取った歯は細菌が増えやすいから、痛みが出るようになったらより悪い状態ってこと。それに原因不明の痛みが続いて、そこから解放されるために、歯を抜く人も中にはいるし。くれぐれも神経取ったら大丈夫と誤解しないようにね。

(次回へ続く)

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