話せるブログ 第53回 感性&思考「基準を持った仮決めの繰り返し」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

患者さんに丸投げするのでもなく、
自分勝手でもない。

歯科医と患者さんが
一緒に答えを決めていく方法。

これは特に結果の不確実な
治療に対して決めていくときに
有効なものです。

ただなかなか
決まらないこともあります。

あまりにもどうなるかの結果が
漠然としすぎていると

患者さんによっては
不安が大きくて前に
進めないようなのです。

歯科医としては、
経験により、
事前予測の精度は
高まっていきますが、
それでもやはり
やってもみないと
わからないことはあります。

そんな状況の中、
歯科医と患者さんは
どうやって前に
進んでいったら良いのでしょうか。

私がやっているのは、
基準をもって、
仮決めすること。
仮決めして進んだ後、
その仮決めが間違っていたら
修正すること。
それを繰り返すこと。

基準というのは、
歯科医の目線からみて、
こうなっているのが、
理想的で正常な状態
だよねというもの。

たとえば、
歯の形や位置はこうで、
真ん中はここで、

左右は対称で、
咬み合わせは本来
こうなっているのが
理想的だよねとか。

その理想的な状態から
どれだけズレているか
という目でみてみる。
基準がないと、
そのズレに
気づくことができませんから。

仮決めというのは、
戻れる形で、
仮歯や仮の入れ歯を
入れてみるということ。
そうすると、
漠然としていたものが
すこしクリアになります。
患者さんの反応も
わかります。

患者さんの反応をみながら、
基準に近づくように
修正を繰り返していきます。

基準をもって、
仮決めする。
そして修正を繰り返す。

そうすることで、
漠然としすぎて、
決められなかったことでも、
だんだんと最終的な結論が
みえてくるようになります。

歯科医側は
この経験を重ねると、
複雑な問題でも
早い段階で
最終結論が見えてくる
ようになっていきますが、
患者さんにはそれが
まったく見えないのが
普通だと思います。
それに、歯科医の中での
最終結論は、すべての患者さんの
結論になりません。

だから基準をもって
仮決めを繰り返すことで、
患者さん個別の最終結論に
たどり着く必要があるのです。

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