話せるブログ 第77回 感性&思考「患者さん中心の歯科医療」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

歯科医療が行われるとき、
当たり前のことですが、
患者さんが中心にいます。

ところが、
歯科医はつい自分の考えが中心に
なってしまったり、

あるいは医療的な決断を
完全に患者さんに委ねて、
責任すら患者さんに
投げてしまうことも

見受けられたりします。

だから歯科医は患者さん中心の
歯科医療の意味を良く考えて
おかなければなりません。

患者さん中心というと、
患者さんの思いや要望に
何でも応えるようなイメージがあります。
ただそれだと患者さんの言いなり
というだけで、患者さん中心
というわけではありません。

歯科医として経験の浅い頃は、
歯科医は患者さんの話を
聞くしかありません。
自分に経験も自信も無いのですから。

私自身としても、
経験年数が浅く、
歯科医として自信も無い頃は、
患者さん中心の歯科医療というより、
患者さんの言いなり歯科医療
だったような気がします。
(それか先輩や上司からの
やらされ歯科医療ですね。)

私は、患者さん中心の歯科医療とは、
最もその患者さんにとって、
そしてそのタイミングにおいて

納得できる意思決定や
治療を行うことだと思っています。

患者さんは自分の経験や、
持っている情報をベースに

自分の思いや要望を訴えます。
歯科医も同じです。

自分の持つ情報や経験をベースに、
その患者さんにとって、
最も良いと思う治療を提案し行います。

ただこのとき、両者の間にズレが
生じることがあります。
歯科医が考えるその
患者さんにとって最も良いことと、

患者さんが望んでいることとが、
ズレることがあるからです。

両者の認識のズレを
調整しなければなりませんが、
歯科医として経験年数が経ってくるほど、
このことが難しくなってくるのだと思います。

なぜなら歯科医は
知識も経験も豊富になり、
成功体験を繰り返しているほど、
こうあるべきだという考えや価値観が
強くなっていくからです。

歯科医療はものづくりの要素もあり、
歯科医は作品をつくっている
アーティストのような感覚もありますので、
こんな作品をつくりたい、
みたいなこだわりも出てくるからです。
だから、自分の思い通りの
作品を創ろうとしてしまいます。

それに自信があるので、自分の答えを
患者さんに押し付けてしまいがちです。
このような歯科医は、
答えを決めてほしい患者さんには
とても頼もしく感じられて良い場合もありますが、
時に自分勝手に感じられること少なくありません。
患者さんの思いや要望を置き去りに、
治療方針を決めてしまうからです。

そうすると、
仮にそれがその患者さんのためであっても、
患者さんは理解や納得ができず、
その治療を受けようと思えないようです。

だからこのズレを認識して、
話し合いによって、
そのズレを調整しながら、
最終的にお互いが納得できる
答えを見つけていくことが
必要になってくるのです。

それに私自身の経験としても、
これが最も良いと考えて、
提案した治療方針が、
患者さんとの話し合いの中で、
もっとその方に合ったものに
変化していくことや、
最終的にそれで良かったなと
思えることはたくさんあります。

やっぱり、その患者さんのことを
知らずして、その時、その患者さんに、
最も良い治療方針など
提案できないというのが実感です。

だから私としては、
患者さんから
「先生に全部お任せします。」
あるいは、
「先生が思うベストをやっておいて。」
などと言われたとしても、
それでも、その患者さんの価値観や好み、
生活背景をできるだけ
聞くようにしています。
よりその患者さんが満足できる
治療方針を立てることができると
考えているからです。
だからそんなときは、
めんどくさがらすに、
話してもらえると助かります。
(時間が無くてあまり聞けなかったと
思うことも多々ありますが、、、m(_ _)m)

(次回へ続く)

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