話せるブログ 第17回 感性と思考「歯科医師の価値観も知るべき」 

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

歯科医療の治療方針には、
そもそも絶対一つの正しい答えはない。
一人ひとり違うし、
同じ人でもタイミングによって違う。
これが私の持論です。

何のデメリットもなく、
完璧な治療などありません。
どの治療も必ず、
メリットもあれば、

デメリットもあります。

あるメリットを手に入れるために、
あるデメリットは受け入れる。
そして、何をどこまでやるのか、
そういう決断をしなければならないのです。

だから歯科医療の治療方針を
決めていくときに、

歯科医師と患者さん、
お互いの価値観がとても重要になります。

ここでいう価値観とは、
何を優先するのかということ。 

たとえば、
アメリカ・ハリウッド女優の
アンジェリーナ・ジョリーさんが、
乳がん発症のリスクを下げるために
予防的な乳房切除という
先制医療を受けたことが、
少し前に話題になりました。
どんなメリットを手に入れて、

どんなデメリットを受けいれるのか。

ご本人しか、
真の思いはわかりませんが、
乳がん発症のリスクを下げる
というメリットを手に入れ、

乳房切除術を受けなければならないデメリットを受け入れた。

そのことを聞いて、
自分もその選択をする
という人もいるかもしれませんし、

まだ絶対乳がんになるとは
決まってもいないのに、

そこまでしなくてもって
思う人もいるかもしれません。

これは、
歯科医療ではありませんが、
例としてわかりやすいので
挙げさせて頂きました。

それに、このような先制医療を
選択するかどうかは、

歯科医療の治療方針を
どうするかと少し似ています。

それは、その人がどう生きるのか
という選択でもあるからです。
だからこそ、
その人の価値観が決断に
大きな影響を与えることになるのです。

ただここで言いたいことは、
患者さん自身の価値観を
整理して知ることも重要ですが、

治療方針を決める上で、
歯科医師の価値観を知っておくことも、
同じくらい重要だということです。

なぜなら、
歯科医師の価値観によって、
歯科医師がどんな情報を活用し、
それをどのように患者さんに
伝えるかが決まってくるからです。

歯科医療の情報というのも、
膨大であり、すべてが白黒はっきりしているものばかりでもありません。
歯科医師は、その膨大で、
しかもグレーな情報もある中から、

自分が信じている、または
自分にとって都合の良い情報ばかりを
活用してしまうこともあります。

歯科医師が意識的に、
あるいは無意識のうちに、
自分の偏りのある価値観で、
自分の偏りのある情報を与えてしまうこともあるのです。

だからその患者さんにとって、
最も良い治療方針を決めるためには、
歯科医師が、自分にも偏りがあることを
自覚していなければなりませんし、
患者さんは、安易に誘導されて
しまわないように気を付けなればなりません。

そのためには、
歯科医師も自分の価値観を整理して発信し、
患者さんもその歯科医師の価値観を
知っておくことが必要ではないでしょうか。

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