教えて内藤先生 第31回 「咬み合わせってそんなに体に影響するの?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の常識や日常がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

内藤先生
咬み合わせに問題があるっていうことで相談に来る患者さんて結構多いんだけどね。

ゆめは君
かみあわせ?

内藤先生
うん。咬み合わせ。なんだけどね、咬み合わせの問題を抱えている患者さんが訴えている症状や悩みはかなり色んなものがあるんだ。

ゆめは君
どんなものがあるの?

内藤先生
咬み合わせがこっちが高いとか、低いとか、歯並びが悪いとか、こういうのは何となくわかるよね?

ゆめは君
うん、ありそうだね。他には?

内藤先生
舌(した)やほっぺたの内側をよく咬んじゃうとか、しゃべりにくいとか、アゴが痛いとか。この辺も想像つくかな?

ゆめは君
まあ、なんとなく。想像つかないようなものもあるの?

内藤先生
頭や首の後ろが痛いとか、肩こりがひどいとか、眠りが浅いとかはどう?

ゆめは君
それは良くわからないね。もしやまだまだあるの?

内藤先生
腰やひざの痛みとか、生理痛・生理不順とか、自律神経失調とかは?

ゆめは君
もはや何でもありな感じがするね。

内藤先生
この辺までくると咬み合わせとはだいぶ遠い気がするよね?

ゆめは君
だいぶ遠い気がするけど、関係してるの?

内藤先生
遠くなるほど、別の要因が関わる可能性が高くなってくる。でも関係しているかどうかと言われたら、関係はしていると思う。

ゆめは君
じゃあ、咬み合わせを治したらその症状は良くなるの?

内藤先生
良くなる場合もあるし、良くならない場合もある。

ゆめは君
判断に困る答えだね。

内藤先生
そうなんだよね。だけどこれが正直な答え。咬み合わせの変化で、長年のあいだに、思いもよらない辛い症状に発展してくることがある。

ゆめは君
だんだん症状が出てくるってこと?

内藤先生
最初に咬み合わせの変化を起こすようなきっかけがあって、何とかそれに体が適応しようとするんだけど、どんどんバランスが崩れていく感じ。それで色んな症状につながっていくんだ。

ゆめは君
最初にきっかけがある?

内藤先生
うん。ドミノ倒しの最初のドミノみたいに。

ゆめは君
あ、ドミノって、どんどん勝手に倒れていくやつね。

内藤先生
そう。きっかけとなった最初のドミノを戻しても、倒れてしまったドミノがすべて戻るかというとそうじゃない。でも最初のドミノや続くいくつかのドミノを戻すと、それに続いて一度倒れたドミノが元に戻っていくこともあるんだ。

ゆめは君
でもどこまでそのドミノが元に戻るかはわからないってこと?

内藤先生
うん。やってみないとわからない。その患者さんの治る力や許容量にもよるしね。

ゆめは君
それにしても、咬み合わせってそんなに体に影響するんだね。

内藤先生
そうだよ。影響は計り知れないことがあるし、取り返しつかない状況になることもある。だから最初のドミノをできるだけ倒さないことが大事なんだ。

(次回へ続く)

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