この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。
若くて経験も浅い
代診である歯科医が
期待して来院した患者さんと
一体どうやって信頼関係を
築けば良いでしょうか?
特別な肩書きや資格を
もっていたら少しは
患者さんが信用して
くれるのかもしれません。
ただそんな肩書きや資格など
持っていないことが
ほとんどでしょうし、
持っていたとしても、
経験の少なさやスキル不足は
関わっていたら絶対ばれます。
自分が背伸びしたところで、
むしろマイナスだと思います。
ではどうしたら良いでしょうか?
これが正解というものは
無いと思いますので、
自分自身がどう考えてきたかを
ここでは書いていきます。
まず、価値観は人それぞれですので、
すべての方に信頼されるのは
無理だとあきらめました。
その確率を上げる努力を
しなければなりませんし、
努力を間違えなければ
その確率は上がってきます。
ただどんなに自分が努力しても
100%は絶対無理です。
(それは代診という立場に限らず
院長という立場であってもですが。)
そう割り切った上で、
自分だったらどんな人が
信頼できるかを考えました。
私の場合には、
自分が話したことを
ちゃんと理解してくれて、
聞いたことに対して、
ちゃんと返してくれること。
そしてその答えが
正しいかどうかよりも
本当に私のことを
考えてくれたうえで
正直なことを言ってくれていると
思えること。
当たり前のことのようだけど
これって意外とできない人が多いと
感じます。
そのことを意識して
色んな人と対話してみると、
それに気付きます。
たぶんできていない人は、
それができていないなんて
気付いてないと思います。
専門家にも結構いると思います。
聞いたことに対して
答えてくれない人って。
そういう人は、
わからないことがあっても
わからないとは言わず、
だらだらと違う話をして
答えているかのように
話をうやむやにしたりします。
自分では何とか乗り切ったと
思っているのかもしれませんが、
そういう人は、
話しても無駄だなと思われ、
話してもらえなくなってしまいます。
聞いたことには答えず、
自分の話したいことを
話している人の話は、
自分のことばかり考えて
話しているんだろうなあと
感じてしまいます。
私は自分がそう思うので、
若くて経験が浅くても、
代診という立場であっても
患者さんと接するときに、
そのことを意識して
関わろうと決めました。
(次回へ続く)
この記事へのコメントはありません。