話せるブログ 第55回 感性&思考「見え方に影響するもの」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

歯科医になってから、
日々思うストレス。

それは、
人の口の中は狭くて、
暗くて、見えにくいということ。

普通では絶対見えない部分もあります。
だから歯科医は、
できるだけ見えるように
鏡(デンタルミラー)を使ったり、
ライトを使ったり、
とにかく必死で見ようとします。

歯科医に限らず、
人は目で見えることには強いですから、
ちゃんと見えるようにしたいものです。

歯科医療において、
目で見えるというのは、

たとえば、
虫歯で歯に穴が開いているとか、
色がおかしいとか、
歯肉が腫れているとか、
膿が出ているとか。

でも歯は小さいし、
歯の奥の方などは、
どうやったって肉眼では見えません。
だから拡大して見えたら、
もっと色んなことがわかって、
ちゃんとできるんじゃないかってことで、
拡大鏡や実体顕微鏡(マイクロ)で
見るようにもなってきました。

見えないのは暗くて小さいからだから、
明るく大きく見えるようにしようと。

それは間違いではありません。
大きくしたら見えなかったことも

確かに見えてきます。
実際、診療のレベルを上げるには
とても大事だと思います。

ちゃんとやっていたつもりでも、
大きく拡大して自分の作業をみたら、
必ずアラが見つかりますし。
それに気づかなければ、
診療の改善はありませんので、
拡大して見ることはとても重要です。

ただ最近私が強く
認識するようになったことは、

明らかに見えているものでも、
人によって見え方が
全然違っているということ。

そしてその見え方には

目に見えていないものが
どれくらい見えているかが
影響しています。

それはなぜそう見えているのか
などの気づきのこと。

たとえば、
前歯の形や色など、
目で良く見えるものも、
人によって、
同じようには見えていません。
もっというと、
今の私と、5年前の私でも
見え方が同じではありません。

その前歯を5年前の自分も
今の自分も目で良く見えています。
でもなぜそう見えているのかについて
今の自分の方がより多くのことに
気づいているので
見え方が
違っています。たぶん。

そもそも前歯は
どんな形をしているものなのか。
なぜその形をしているのか。
歯の内部の構造や色はどうなっているのか。
光はどこから当たっているのか。
前歯の隣の歯や、歯肉の形、唇の形はどうか。
咬み合う反対の前歯の形はどうか。
などなど。

多くのことに気づいて
見ている人と、
そうでない人では、
同じものを見ていても、
見え方が全然違っていたんです。

当たり前のことなんですが、
最近それを強く
認識するようになってから、

コミュニケーションのエラーが
かなり減ったように思います。

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