この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の常識や日常がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。
内藤先生
話せる歯科医
ゆめは君
辛口な小学校5年生
理想と現実にはギャップがあるんだよね?(→
第7回へ)
それはあるよね。いつも理想通りにはいかないのが現実。
でも歯科医院のホームページとかみると、理想的っていうか、すごそうなこといっぱい書いてあるよ。
信じていい情報もあるし、信じすぎてはいけない情報もあるね。
信じすぎてはいけない情報?最近話題のフェイクニュースみたいなものがあるってこと?
いやフェイクニュースだと、それはウソの情報ってことになるよね?
ウソは信じてはいけない情報だけど、ここで言いたいのはウソではないけど、真実でもない情報のこと。
例えば、奇跡的にうまくいった結果を、さもそれがすべての人にうまくいくようなことだと誤解を招くような情報。
そう、さすが賢いね。歯科医院のホームページの内容には少なからずそういうものが含まれていることがあると思う。期待しすぎちゃうような内容。
そうだね。患者さんに選んでもらう歯科医院になるために、できるだけ良い情報を載せなきゃって思うし、やっぱり人はうまくいったことを言いたいもんだからね。
それが現実だよね。「成功率100パーセント。誰も真似できないゴッドハンドを持つ名医」みたいな人の方が、カッコ良いし、カリスマ性もあるから宣伝効果としてはあるかもしれないよね。
患者さんもそんな名医がいたらやっぱ診てもらいたいって思いそうだよね。
やっぱそうだよね?うまくいくことばかりじゃないことが真実だけど、それを正直に伝えている方が、結果にコミットしていなかったり、言い訳しているように聞こえたりしてしまう。
まあ、結果にこだわることもそうだし、悪い結果が出ても言い訳はしないでほしいよね。
カッコ良いって思うし、憧れもないことはないけど、向いてないね。
結果にもこだわりたいし、言い訳もしたくないけど、あまりに期待させるような内容を宣伝するのは、患者さんの不満や後悔につながることがあるので注意したいよね。
(次回へ続く)
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