話せるブログ 第6回 物語「治療は必要ないと怒る患者さん(あとがき)」

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

(前回のおさらい) 第5話へ

治療は必要ないと怒る
村田さんに対して、
最初私たちは治療どころか、

口の中を触ることも
許してもらえませんでした。

しかし、
徐々に関係性を深めることで、

治療することもでき、
最終的にはご本人にも、
ご家族にもとても喜んで頂けました。

めでたしめでたし。 

と、言いたいところなのですが、
この話には続きがあります。

当たり前ですが、
私たちと村田さんの関係は、
ずっと続いているのです。
私たちは、
村田さんの生活を支援するために
関わっているのですから。

それで、
私たちと村田さんのその後の関係は
とても良くなっているのかというと、

そうでもありません。

前歯が入って喜んで頂いた
その次にお伺いしたときには、
口腔のケアをさせて頂いている途中、
ちょっと痛かったのか、
とてもお叱りを受けました。
最初にお会いしたときと、
ほぼ何も変わらず・・・。

歯が入った分、
見た目や機能的に良くなりましたが、

歯を磨くことが少し難しくなりました。
口腔清掃状態が悪くなれば、
誤嚥制肺炎のリスクは高まりますので、
歯を入れたことが良いことばかりではありません。

引き続き、
定期的な口腔のケアのお手伝いや、
舌のトレーニングで、
できるかぎり口腔衛生状態や、
口腔機能の維持向上を
目指していきたいと思っています。

今後の状態として、
良くなることもありますし、

悪くなることもあります。
私たちは良かれと思って

やっていることでも、
村田さんには不快だったり、
お叱りを受けることもあるでしょう。

今でも、村田さんが
相撲中継に夢中なときは、

邪魔したら叱られますので、
やっぱりまだ一緒に観ている
ということもあります。

先日お伺いしたときには、
それがテニスになっていて、
テニスも一緒に観ることに
なってしまいました。
相撲だと、
取り組みの合間のタイミングで
ケアをさせて頂いたりしますが、
テニスだとタイミングがより難しいなと感じました。

そんな私たちですが、
ただそのときそのときで、

お手伝いできることを考え、
実践していくと決めています。

だからこれからも、
いろんなことがあると思いますが、
私たちと村田さんとの関係は続いていきます。

(おわり)

※ここでの物語はすべて実話に基づいていますが、登場する方々の氏名は仮名であり、個人が特定されないように配慮をしている点をご理解ください。

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