話せるブログ 第16回 感性と思考「決断の裏にあるもの」 

この連載について
一人ひとりの答えが違う歯科医療。そんな中、話せる歯科医は、患者さんの言いなりでもなく、自分勝手でもない。科学的な根拠も大事だけど、ときに感覚やあいまいさを優先する。ではいったいどんな歯科医が話せる歯科医なのか? 私、内藤の経験や物語をとおして、話せる歯科医をひも解いていきます。ここには、これからの歯科医療における答えの決め方のヒントがあるはずです。

私たちが何かを決めるときには、
できるだけ間違わないように
情報を頼りにします。

例えば、ある目的地に
車で向かうとして、

その場所を知らない場合には、
右か左か、まっすぐか、
どちらに向かうのか、
何の情報もなしに

目的地にたどり着くのは
とても困難だと思います。

私はあまり土地勘がないので、
なんとなくこっちかなと思って
行ってみたら、とんでもない所に
着いてしまったということも
良く経験します。

まれに、はじめて行った場所なのに、
あまり間違わない土地勘を
持った人もいるからすごく羨ましく思います。

私みたいな土地勘のない人物が、
もしも初デートで
ドライブでもするときに、

何の情報もなく出発してしまったら、
それはそれは悲惨な結果となってしまうかもしれません。

相手が果てしなく心の広い人か、
ドライブ自体を楽しむことが
目的なら良いかもしれませんが、
大失敗をする可能性が高いでしょう。

昔は、地図を頼りにしていましたが、
今では正確に目的地までの情報を
教えてくれるカーナビがあるから
とても頼りになります。

とはいえ、カーナビがあっても
それに頼りすぎるのも
気を付けなければなりません。
カーナビが、自分たちにとって、
最も良い道を教えてくれるとは限らないからです。

私が大学生の頃、同級生の女の子が、
当時の交際相手に対して、
とても怒っていたことがあったんです。

交際相手の彼と車で旅行にでかけたときのこと。
車で目的地付近まで来たとき、
目的地が目の前に見えているから、
彼女は、まっすぐ行ったらもう着くって思ったらしいんです。
でも彼氏は、左に曲がることを選択。
カーナビがそう指示してきたからって。
その結果、やっぱり遠回りになってしまったみたいなんです。

彼女は言ってました。
「あのカーナビ男が!」って。
恐ろしい話です。
その後の交際はどうなったのでしょうか。

情報が全く無いのは話になりません。
でも情報を信じすぎてもうまくいきません。
それに、
目的地にたどり着く場合でも、
方法は一つではありません。
早く辿り着く道の選択もあれば、
遠くても安い道の選択もあります。
景色の良い道の選択や、
安全で走りやすい道の選択もあるかもしれません。

そこで思うんです。
大事なことは、
情報をもとに、自分で決断することなんじゃないかと。
そして決断の裏に、自分の意思や嗜好があること。

カーナビ男と言われてしまった彼も、
自分の意思や嗜好を持たず、
カーナビに言われるがまま
行動してしまったことに
彼女は怒ったのかもしれません。
カーナビに依存しすぎだと。

土地勘のない彼は、
カーナビに従った方が、
無難だと判断したのかもしれません。
ただカーナビが、彼らにとって
最も良い道を教えてくれたわけではありませんでした。

もし彼が、目的地に行く前に、
ある景色を彼女に見せたくて、
左の道を選んだのだとしたら
それは、彼と彼女にとって、
最も良い道の選択になったはずです。

難しい話ですね。

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