教えて内藤先生 第50回 「悪い歯は抜くべき?」

この連載について
歯科医と患者さんとの間にはギャップがある。それが不満や後悔につながることも多い。歯科医の内藤は、そのギャップを埋めるため週に一度、落ち着いて患者さんと話せる時間をつくることにした。するとそこに毎週訪れるようになった小学5年生のゆめは君。内藤とゆめは君。患者さんからのご質問やご意見をもとにした2人の気さくな会話から、歯科医の想いや常識がみえてくる。歯科医と患者さんのギャップを埋め、お互いに後悔のない歯科医療を選択するための情報が満載。


内藤先生
話せる歯科医

ゆめは君
辛口な小学校5年生

ゆめは君
虫歯って放っておいたらどうなるの?

内藤先生
放っておいたら?多くの場合が進行するよね。

ゆめは君
多くの場合ってことは進行しない場合もあるの?

内藤先生
少ないけどある。ただまったく進行していないのか、進行がすごくゆっくりなのかの判断はつきにくいけど。

ゆめは君
勝手に治る場合もあるってこと?

内藤先生
そうだね。治ること=進行いなくなっていることだとすると、そういう歯に遭遇することはある。その人の治す力が強いんだろうね。

ゆめは君
へえ。じゃあ治療は必要ないの?

内藤先生
虫歯としては進行しないとしても、その歯を修復する治療はした方が良いよね。

ゆめは君
修復する治療?

内藤先生
うん。穴があいてたり、見た目がわるかったりして、歯としての形や機能をちゃんと発揮できていない場合がある。そんなときは、元の歯の姿に戻してあげないとね。それが修復治療。

ゆめは君
元の歯の姿に戻すことか。

内藤先生
そう。まあ良く言っていることだけど、歯科医療には大きな二つの目的があるよね。一つは、虫歯になったりしてそのままにしているとどんどん進行しちゃうような悪い部分は取り除くこと。もう一つは、その後、元の姿にできるだけ戻してあげること。

ゆめは君
じゃあもし、進行するような虫歯を放っておいたらどうなるの?

内藤先生
歯や支えている骨も腐ってきたり。それでもずっと放っておくと、ばい菌がどんどん体の中に入って、他の病気を引き起こしたりする。命に関わることもあるよ。

ゆめは君
虫歯で死んじゃうこともあるの?

内藤先生
あるよ。だってね、ばい菌がたくさんついていて、腐ったものが体の中にあるって体にとっては大変なことだよ。

ゆめは君
たしかに。

内藤先生
口の中って、外とつながっていて色んなものの入口だから、すごく強くできている。だから口の中で大丈夫でも、体の中に入ったら問題なことってたくさんあるんだよ。

ゆめは君
歯が体に悪さすることもあるんだね?

内藤先生
そうだね。口の中でも膿んで腫れているようなトラブルが出ている歯は体にとってすごく悪い。

ゆめは君
確かに悪そう。

内藤先生
だから悪い歯は残し過ぎるのも良くない。悪い歯を抜くことで、健康的になる人が確かにいる。それは歯科医をやっていて実感として感じるよ。

ゆめは君
そうなんだ?できるだけ歯を残すことができるのが良い歯医者さんて感じだけど?

内藤先生
もちろんそれはそう。でも体への影響があることも考えながら歯を残そうとすることが大事。それを意識しているのとしていないのとでは、治療にむきあう姿勢が違ってくるから。

(次回へ続く)

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